『パーフェクトワールド』は、障害で恋を諦めた主人公と、初恋相手と再会し想いが再燃した2人が紡ぐラブストーリーです。
建築士の鮎川樹(松坂桃李)は、事故で脊髄を損傷してしまい下半身が不随に。
そして自分を卑下し、ただただ自分の人生を一人で生きていこうと心に決めていた。
ある日、樹は同級生の川奈つぐみ(山本美月)と再会する。
2人は次第に惹かれあっていくのだが、樹が障害者だということで様々な困難が立ちはだかってしまう。
一方で、是枝洋貴(瀬戸康史)もまた、つぐみに思いを寄せる同級生。
長沢葵(中村ゆり)は、樹が事故で下半身不随になり自暴自棄になっていた頃、心身ともにサポートしてきた看護師で今もヘルパーとして彼の身の回りの世話をしている恩人。
と、進展しない恋の四角関係が描かれています。
ネタバレになるのですが、ラストは樹は反対していたつぐみの父親・元久(松重豊)からも認めてもらい結婚をするというハッピーエンドです。
樹が自分はサポートされる側で好きな女性をサポートはできないと感じていた頃、人の価値をそこで決めつけてしまっている樹の背中を押したくて仕方ありませんでした。
よく「障害は個性だ」なんてことを聞きます。
私は少しだけ違うとらえ方をしていて、確かにハンディキャップに変わりはないと思うのです。
ですが、個性ではなく本人がマイナスと感じているのなら「コンプレックス」だと思うのです。
私も身長が低いので「もっと高くなってスラリと服を着こなしたい」と思いますが、体の特徴なのでどうしようもありません。
警察官やパイロットなど身体的条件がある職業だってあります。
その分野では諦めざるを得なくても、人生全てを諦める必要はないと、このドラマで改めて感じました。
お互いを思えば思うほど2人にとってはキツイ恋愛ですれ違いばかりでしたが、無限の可能性が潜んでいて、見事にその可能性を自分のものにした2人は本当に素晴らしくて涙なくしては見られない内容です。
樹は下半身不随なので尿や排便のコントロールができない、結婚したら子供は望めるのかなどリアリティのある描写もありました。
障害者の恋愛をきれいごとで片づけていない部分は、本作の魅力的な要素の一つでした。
ドラマの放送が2019年だったのですが、ドラマでは樹の恋のライバルで出演していた是枝洋貴役の瀬戸康史さんですが、実生活では山本美月さんと翌年2020年8月に結婚されました。
ドラマの共演でぐっと近づいたのですね。
- これはこれは、リアルでは是枝くんがつぐみと恋を実らせたんだね
- これは面白いなぁ
- もう一度見返して2人のやりとりを見てみたい
と、視聴者からも好感の声がたくさんあがっていましたね。
撮影しながら密かに愛をはぐくんでいたとは、やはり人生どこで何があるのか分かりません。
そして、最後に障害者と健常者の恋愛や結婚が、何の壁もなくスムーズに守られますように。
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